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何故60Dに至ったか。
後編。
遂に手を出した一眼レフの世界。

電源を入れ、液晶が点かない事に戸惑い、
思い出したようにファインダーを覗いてみる。
同じ「カメラ」の名を持つ機械でありながら、
コンデジとはあまりに違う感覚。

IXYでほぼ体得していたF値、SS、ISOのイメージをダイレクトに設定できる愉しみ、
レンズ交換により全く異なる世界が見える驚き、
そして、以前とは比較にならない圧倒的な画質が手の内にある悦び。
その存在そのものが、写真の世界へ片足を突っ込むには充分過ぎる要素の塊だった。


当たり前のようにレンズ沼の方へも危うく片足を突っ込みかけるのだが、
それは話が長くなるのでまた別の機会にするとして。


道具の性能が申し分無いものになったとすれば、
あとは自らのセンスと技術の問題になってくる。
撮る、調整する、見直す。
ひたすら、この繰り返し。

少し上手くいった写真に慢心し、
マンネリ化する構図に頭を悩まし、
何百枚、何千枚、そして1万枚を超えて尚繰り返す。

すると、充分過ぎる性能だった筈のカメラにまたもや不満が出てくる。
巨大なRAWデータ、すぐさま操作できない露出補正、やや狭いファインダー・・・
気づくと、上位機種の背中が見えてきていた。

最初の選択肢は50Dと7D。
RAWのサイズを三段階から選べ、ピントの山を掴めるレベルのファインダーを備え、
AFマイクロアジャスト、簡易防塵防滴のマグネシウム合金ボディ。
50DではセンサーがKissX3と同一なので、購入するなら多少高くても7Dか、
等と考えていた矢先、60Dの噂が舞い込んできた。


「画素数を抑えて高感度性能重視」
というその噂は、サブ機としてPowerShotG11を使用し
デュアルクリアシステムの恩恵を受けていた身にとっては、
あまりに魅力的なものであった。

毎日のようにカメラ関連のサイトを巡っては、
新しい情報が無いか探すようになった。
これで手持ちでも、楽々夜景撮影が楽しめる。
低ISOによる手振れ被写体ブレの心配からも解放される。
もう少しで、理想のカメラに出会える――


だが、その期待は裏切られた。


その後実際に発表されたスペックは、
7D、KissX4と同一の1800万画素CMOSにDigicⅣ
さらにはプラボディの採用、AFマイクロアジャストの省略、
加えて連写速度の低下と、肩透かしどころか失望すら感じるような
「スペックダウン」「出し惜しみ」のオンパレードであった。

「ああ、よりによってこの機種でキヤノンの悪い癖が存分に発揮された・・・」

あらゆる処で酷評される60D。
7DとKissの間としては妥当とする擁護の声も一理あると感じつつ、
こんなスペックでは単なる没個性としてただ消え行くだけだとしか思えない。
こいつは完全なる「失敗作」だ。
60Dへの興味と期待は、完全に消え去っていた。


2ヵ月後。

ヨドバシカメラで7Dのファインダーを覗く。
流石はAPS-Cのフラッグシップなだけあって広く明るい。
シャッター音も耳に心地良い。

次に50Dのある場所に手を伸ばす。
最初から自分の手に合わせてこしらえたかのように馴染むグリップの握り心地、
7Dとほぼ変わらないと言って良いレベルのファインダー。

それは、元々50Dのあった場所に納まっていた60Dであった。

驚き訝しみ、改めてもう一度手にする。
直感的に右手のみで操作できるAF、撮影枚数、ISO、測光モード。
上限設定の可能なオートISOにダイヤルで即変更可能な露出補正。

こちらの要求を率直に、正確に反映してくれるカメラがそこにはあった。


連写はまず使用しないので問題ない。
マグネシウムボディでなければいけない理由も無い。
AFマイクロアジャストだけは今に至るまで未練が残るが、
どちらにせよ厳密な調整は無理だし、
大口径レンズはそもそも微調整をMFで行うものだから腕を上げればいい。
画素数を下げたとしても映像エンジンが変わらない以上は、
高感度画質の劇的な向上は望めないのだから、
これも工夫するかノイズを表現として昇華すればいい。

SDカード採用はKissからのステップアップには都合が良いし、
酷評の嵐で当初7Dを超えていた売価は暴落の一途。
既に差額でそれなりのレンズ一本が買える値段になっていた。
個人的にはおまけだが、バリアングル搭載でもある。
(現在では既に無いと困るレベルの使用頻度になっている)

考えられ得る全ての要素が60Dただ一点を指し示していた。
最早、迷いは無かった。


そして、当初は「失敗作」と評したカメラを手にするに至った。
いや、実際二桁Dとしては空前絶後の「失敗作」であるとは思う。
7DとKissX4に挟まれて奇妙に歪んで中途半端になってしまった。
だが、それはユーザーの要望と商品化のタイムラグに起因している。



60Dは生まれてくる順番を間違えた不幸なカメラだ。
時代に弄ばれた遅咲きの名機、とでも言うべきであろうか。
そのカメラを選んだのは、同情か、仲間意識か、
あるいは名も知らぬまた別の感情か。

兎にも角にも、壊れるまではこの奇妙なカメラと付き合ってみるつもりである。

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